「第1初級課程(初飛行その2)」

「第1初級課程(初飛行その2)」

「第1初級課程(初飛行その2)」

「お願いします!」と元気よく教官に敬礼し着席する。プリ・ブリーフィン グの開始だ!

「本日のミッションは・・・・。」 「訓練主眼は・・・・。」 「訓練目標は・・・・・・。」 「細部訓練内容についてブリーフィングします。」 「本日のエリア(訓練空域)は『No.5』。」 「離陸後、ヘディングを『030°』、高度は2,500フィートでレベル・オフ をし・・・・・・。」 「最初の課目は・・・・。」 ・ ・ ・ ・・ 「帰投後、着陸はフル・ストップします。」 「以上です。」 と、約10分程で訓練の内容を説明する。

続いて教官の質問に入る。 教官は訓練を行う前に、学生の訓練課目等に関する理解度を確認し なければならない。これは、航空法に基づき義務づけられている行為なのだ。 確認を怠れば教官は航空法違反となる。
航空自衛隊の飛行教育は、国土交通省「指定養成施設」と呼ばれる操縦教育の養成施設に指定されている。 一部の適用除外を除き、航空法に基づき操縦教育を受けるのだ。

私の担当教官は、比較的質問が好きな教官で20分程の質問攻めに あった。半分程しか答えることができなかったように記憶している。

当然、知っていなけḃばいけない事項が答えられないと、厚い評価表綴 りなどが重力以上の力で頭上に降ってくる。 約30分程の「針のむしろ」に座った状態から脱出すると、次はいよいよフライトだ。

「救命装備保管室」でライフジャケット、パラシュートを装着し、ヘルメットと手提げ袋を持って航空機へと向かう。
ランプ(駐機場)地区では帽子のあごひもを装着し、物を飛ばされなれないように着意しなければならない。
航空機に到着すると、3名の整備員が我々の到着を待っていた。元気よく「お願いします!」とエンジンの音に負けないぐらいの声で敬礼する。
ディンギ(救命ボートとサバイバル・キットが収納されたコンテナ)とパラ シュートを結合し、操縦席の真横で翼前方の定位置に置いて外部点検 を開始する。

「外部点検実施します!」と教官に報告し始める。 「ガスト・ロック・アンロック」 「コントロール!」 大きな声で航空機の全周に注意喚起を促す。
操縦桿を回し引っかかりがないことを確認する。 いよいよ外部点検の開始だ!!

 


T-3の映像が無いためT-7の映像になっています

「第1初級操縦課程(その3)」

飛行機(Tー3)の左翼後縁から外部点検を開始する。 各点検個所の部品名称を一つ一つ大声に出し、発唱確認を行う。

1 フラップ 2 エルロン 3 ・・・????名前が出てこない???? エルロンの端に装着されたワイヤー(放電策)を触りながら名称を思い出す。

教官に「何やってんだ!!そんなに何度も引っ張ったら外れてしまうだろう!!」と怒鳴られる。 「名前を忘れました!」と大声で返答をする。「スタティック・ディスチャー ジャーだ!!覚えておけ!!」とまた怒鳴られる。

4 ウイング・チップ 5 ナビ・ライト  6 リーディング・エッジ 7 リフト・ディテクター  7 フューエル  8フューエル・キャップー・アイ・マークーオッケー  9 タイヤーオッケー 途中、所々で教官が質問をする。

「タイヤは何処を確認するんだ?」 「タイヤの溝は?」 「空気圧は?」 ・ ・ ・ ・ 28 パネル・アイマークーオッケー

次の項目に移行しようとすると後らから教官が「こらー!何を見てるんだ ー!」とまた怒鳴り声が! 「パネルはちゃんと締まってんのか?」 振り返り再度確認をする。 やってしまった!見落としだった。パネルを止めているファスナー(専用 工具で押しながら90度回すと止まるネジ)が一カ所緩んでいた。確認したつもりが見ていない。 パネル付近を叩いて弛みを確認し、かつ、目視でアイ・マーク(ファスナ ー1つ1つに締まっていると一直線になるように、ファスナー1つ1つにマ ーキングが施してある。)を確認することになっている。 教官が整備員に内緒で指示をして学生に確認させる『愛のムチ』みたいなものである。

・ ・ 35 テール・スキッド  36 エレベーター  37 ラジオ・コンパートメントーセキュアー やっと全項目を完了した。15分程かかったであろうか。

「外部点検異常なし!安藤候補生同乗します。お願いします!」と、教官に報告をし敬礼をする。

もうこの時点で汗びっしょりであることは言うまでもない。

ディンギ(救命ボートのコンテナ)を接続したパラシュートを背負い、脚帯 (股から腰にかけて装着するベルト)、胸ベルトを装着する。 股の大切な部分の位置がなかなか定まらない。
このままではパラシュー トでの緊急脱出時、開傘ショック(フリーフォールからパラシュートが開傘する時にかかる衝撃)で『一物』が潰れてしまうのだ。

挟まないようにしっ かりと装着しなければならない。

いよいよTー3に搭乗だ!!

 

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